2009年01月06日

ワンの物語

ワンの物語






このようなポスターがあるのですね。

随分前にネットで見つけたのですが、無料で配布もしてくださる

愛護団体の制作されたものです


家の周りにも、恐らく我がニャン達の親戚縁者が逞しく生きています

が中には、家の竹ちゃんや茂君の様に、皮膚病、シラミ、ダニ、結膜炎、鼻炎で

苦しい思いをしている犬、猫も多いですね


欧米では、市民団体でノラ猫達をいったん保護して必要な手術や処置をして

町に戻すという試みもあるようですが、凄いことだ


人も生きてゆくのが大変なこの時代とはいえ

ペットショップで高額で買った相棒を、友人から手渡された相棒を

大きくなって可愛げがなくなったから、いらない!捨てる!とはどういう事だろう・・・


これからご紹介するワンの物語の作者は、こんなふうに腹を立てている一人だと思う



私はこれを読んで泣けた・・・泣けた

我家の犬の久美ちゃんは、猫軍団に押されて長女、大先輩にも関わらず

アテンションも少なく、一日一回のお散歩も短くはしょわれて

それでも私達の気配を感じては、尻尾を振ってサッシのドアが開くのを心待ちにしている・・・


私の罪悪感にグッサリと入り、久美がとても哀れに思えてきたのです

あ~彼女がしゃべれたら、言いたいことが山程あるだろうなぁ~ぐすん


OW・ジム・ウィルスさんのワンの物語

少し長いですけれど、是非読まれてください


ここから明日読まれますか?(^^)








ワンの物語
『How Could You...』by Jim Wills, 2001





私がまだ子犬だった頃、私はあなたが喜ぶような仕草をして、あなたを笑わせました。

あなたは私のことを「うちの子」と呼び、私がどれだけ多くの靴やクッションを破壊しようとも、

私たちは最良の友となりました。


私が悪さをすると、あなたは私を指差し、その指を振りながら、「どうして・・・?」と問いました。

しかしすぐに、あなたは微笑み、私を転がしておなかを撫でてくれました。

あなたがとても忙しかったので、私の破壊癖は思ったより長く続きましたが、

それは、お互い時間をかけて解決しましたね。


あなたに寄り添い、あなたの信念や誰にも秘密にしている将来の夢に聞き入った夜のことを

私は今でも覚えています。あのとき私は、これ以上幸せな生活はないと固く信じていました。


私たちはたくさん散歩をし公園で走り、ドライブし、途中でソフトクリームを食べました。

(あなたは「アイスクリームは犬の体に悪いから」と言って、私にはコーンしかくれませんでしたが・・・)


私はいつも陽だまりでうたた寝をしながら、あなたが一日の仕事を終えて家に帰ってくるのを待ちました。

次第に、あなたは仕事や出世のために費やす時間が長くなり、やがて人間のパートナーを探すようになりました。

私は辛抱強く待ちました。


あなたが傷付いた時や落ち込んだ時にはあなたを慰め、あなたの決断が間違っていても決して非難せず、

あなたが家に帰ってくると、おおはしゃぎして喜びました。


あなたが恋に落ちたときも、いっしょになって歓喜しました


彼女-今はあなたの奥さんですが-は「犬好き」な人ではありませんでしたが

それでも私は彼女を受け入れ、愛情を示し、彼女の言うことを聞きました


あなたが幸せだったから、私も幸せだったのです・・・


やがて人間の赤ちゃんが産まれてきて、私も一緒にその興奮を味わいました

赤ちゃんたちのそのピンク色の肌に、またその香りに私は魅了されました

私も、赤ちゃんたちを可愛がりたかったのです


しかしあなたたちは、私が赤ちゃんを傷つけるのではないかと心配し

私は一日の大半を他の部屋やケージに閉じ込められて過しました


私がどれほど赤ちゃんたちを愛したいと思ったことか。


でも私は「愛の囚人」でした


しかし赤ちゃんたちが成長するにつれて、私は彼らの友達になりました

彼らは私の毛にしがみついて、よちよち足でつかまり立ちをしたり、私の目を指で突付いたり

耳をめくって中を覗いたり私の鼻にキスをしました


私は彼らの全てを愛し、彼らが私を撫でるたびに喜びました

何故なら、あなたはもう、めったに私を触らなかったから・・・

必要があれば私は命を投げ出しても、子供たちを守ったでしょう


私は彼らのベッドにもぐりこみ、彼らの悩み事や、誰にも秘密にしている将来の夢に聞き入りました

そして一緒に、あなたを乗せて帰ってくる車の音を待ちました


以前あなたは誰かに犬を飼っているかと聞かれると、

私の写真を財布から取り出し、私の話を聞かせていたこともありました


ここ数年、あなたは「ええ」とだけ答え、すぐに話題を変えました

私は「あなたの犬」から「ただの犬」になり、あなたは私にかかる全ての出費を惜しむようになりました


そして、あなたは別の街で新しい仕事を見つけ

みんなでペット不可のマンションに引越しをすることになりました


あなたは「自分の家族」のために正しい決断をしましたが

かつて、私があなたのたった一人の家族だった時もあったのです


私は久々のドライブで、とても嬉しかった・・・保健所に着くまでは

そこには犬や猫たちの、恐怖と絶望の臭いが漂っていました


あなたは書類に記入を済ませて、係員に「この子によい里親を探してくれ」と言いました


保健所の人は肩をすくめて、眉をひそめました。彼らは知っていたのです

歳を取った成犬たちが-たとえ「血統書」付きでも-直面する現実を・・・


あなたは、「パパやめて、ボクの犬を連れて行かせないで!」と叫ぶ息子の指を一本一本

私の首輪から引き離さなければなりませんでした


私はあなたの子供のことを心配しました


何故ならあなたはたった今このことを通して友情、誠実さ、愛、責任

そしてすべての生命への尊重の意味を、彼に教えたのです


あなたは私の頭を軽くたたき「さよなら」と言いました


あなたは私から目をそらし、首輪とリードを持ち帰ることさえ、丁重に断りました


あなたにとって守るべき期日があったように、今度は私にも期日がやってきました

あなたが去った後、優しい女性係員が二人やってきて言いました

「何ヶ月も前からこの引越しのことを知っていたはずなのに、里親を探す努力もしなかったのね・・・」と。

彼女たちは首を振りながらつぶやきました。「どうして・・・?」


保健所の人たちは忙しさの合間に、とても親切にしてくれました。もちろんゴハンはくれました

でも、私の食欲はもう何日も前からなくなっていました


最初は誰かが私のケージの前を通るたびに、走り寄りました

あなたが考えを変えて私を迎えに来てくれたのだと願いました


今回のことが全部、悪夢であってほしいと願いました。そうでなければ、せめて私を気に留め、

ここから助け出してくれる誰かが来てくれればと・・・


しかし、幼い子犬たちの愛情を求める可愛らしい仕草には敵わないと悟った年老いた私は

子犬たちの明るい運命を脇目に、ケージの隅に引っ込みひたすら待ちました


ある日の夜、係員の女性の足音が近づいてきました


私は彼女の後に続いて通路をとぼとぼ歩き、別の部屋に行きました

しんと静まり返った部屋でした。彼女は私を台の上に乗せ、私の耳を撫で心配しないで、と言いました

私の心臓が、今まさに起きようとしている事実を予期し、ドキドキと鼓動しました


しかし同時に、安心感のようなものも感じました。かつての愛の囚人には、もう時は残されていませんでした

生まれついての性格からか、私は自分のことより、係員の彼女のことを心配しました


彼女が今果たそうとしている責務が、

彼女に耐え難い重荷となってのしかかっていることを、私は知っていたからです・・・


かつて私があなたの気持ちをすべて感じ取ったように-。


彼女は頬に涙を流しながら、私の前肢に止血帯を巻きました


私は、何年も前に私があなたを慰めたときと同じように、彼女の手を舐めました


彼女は私の静脈に注射の針を挿入しました。私は針の傷みと、体に流れ入る冷たい液体を感じ、横たわりました。私は眠気に

襲われながら彼女の目を見つめ、「どうして・・・?」と呟きました


おそらく彼女は私の犬の言葉が分かったのでしょう、「本当にごめんなさい・・・」と言いました

彼女は私を腕に抱きました。

そして、「あなたはもっと良い場所へ行くのよ。」「ないがしろにされたり、虐待されたり

捨てられたり、自力で生きていかなけらばならないようなところではなく

愛と光に満ちた、この世界とは全く違う場所に、あなたが行くのを見届けるのが私の仕事なの・・・。」と

急ぐように説明しました


私は最後の力を振り絞り、尻尾を一振りすることで、彼女に伝えようとしました


さっきの「どうして・・・?」は彼女に対する言葉ではなく、あなた、私の最愛なる主人である、あなたへの言葉だったのだと・・・


私はいつもあなたのことを想っていました。


これからもあなたのことを想うでしょう・・・そして私は永遠に、あなたを待ち続けます


あなたの人生に関わる人すべてが、


これからもずっと私と同じくらい誠実でありますように・・・




THE END.



※非営利目的であればどなたでもこの文をHPや雑誌等に載せることができます。


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Posted by 惣領 智子 at 15:04│Comments(7)徒然
この記事へのコメント
おはようございます(^^)V

「ワンの物語」、胸がしめつけられ、涙があふれれてきました。
我が家にも愛犬がおります。MIX犬です。子犬の頃、台風のさなかさまよっている所を保護され、保健所から譲渡された愛犬です。

私はとても愛しています。人間の言葉が分かるのです。いとおしくてたまらない存在です。
だから、私は死ぬまで一緒に暮らそうと考えています。
Posted by 石垣の天然ママ at 2009年01月07日 04:57
石垣の天然ママ

台風の中をさまよっていたなんて、どんな怖い思いを
したのでしょうね。
あなたのワンちゃんは幸せですね。
私も久美ちゃんを、大切にします!
Posted by 惣領 智子惣領 智子 at 2009年01月07日 10:17
智子さん、志保です。
もう泣けて泣けてどうしようもないです。・゚(゚⊃ω⊂゚)゚・。
私のおうちにも猫がたくさんいて、今1匹行方不明です。
毎日、保健所の情報をチェックしていますが、見つかりません。
わたしは、決して裕福ではないから、猫たちにいいご飯や、ちょっとした症状で病院につれていくことができません。そういうとき、私は猫を飼育する資格がないんじゃないか、この子達は、私のお家いて、幸せなのかと、とっても不安になります。今の自分にしてあげられることは、いっぱいかわいがってあげることですが、私がいつも癒されていて、恩返ししたいなあと思うくらいです。
たまに、半額のササミを買ってきて、ゆでてあげたりすると、ものすごく喜んで、そのときはまた食べさせてあげるからね~と思います。
世の中から、かわいそうな動物がいなくなりますようにと、いつも思っています。
あ、智子さん今年もよろしくお願いします。
Posted by chapechape at 2009年01月08日 01:45
初めておじゃましました。 明けましておめでとうございます。

私は、いま、北海道に住んでいます。
昨日は−16度までさがりました。

そんな、寒いところで「ビー助」と云う雑種を飼っています。
なんと、外で飼っているんです。

ビー助の家に玄関ドアは在りません。
 殆ど散歩に連れて行きません。
 ご飯は私達の残り物の御馳走です。
 お風呂に入れたことがありません。
 しつけ?を教えてません。
 自由に動けるのは3mの鎖の範囲内です。
 病院に連れて行った事がありません。
 注射は予防接種のときだけです。

私の知人の何人かは、そんなビー助を「かわいそうだわ〜」
と言って「わざわざ味付けをしたのよ〜」
と魚のあらを持たされたりします。

隣りのおじ様は毎日のマラソンの帰りに、
ビー助邸に寄り、顏をなめなめされて帰っています。
それを知った私は(⌒▽⌒;) オッドロキーでした。
私は、1度もありません。
そんな、ビー助の一番の敵は「カラス」です。

散歩に殆ど連れて行っていない私ですが、
ビー助の毎日の出来事は私に聞いて下さい。
    (カラス、ネタなんかね。)

これからのビー助の未来に何が起こるか分りません。
でも、これまでの、ビー助に何が起こっていたかは、分ります。

大切にしているか?は聞いてみないと分りません。
犬語を話せたら、ビー助と対で語りたいと思っています。

多分、友情は確実に芽生えます。ね(⌒-⌒)

家のビー助自慢でした。ぺこ <(_ _)>






 
Posted by sonomisonomi at 2009年01月08日 12:09
志保ちゃん

行方不明の猫ちゃんはどうですか?
志保達を真似した様に、家も5匹に・・・
一匹、一匹が可愛いです。
だから、何匹いても、切ないですね。
私達に出来ることは、諦めずに探すことだものね。
祈ってるね!!

ケーキ屋さん、頑張ってるね~
ホームページも初めて拝見しました。
近いうち、遊びに行きますね。
美味しそうで、ぜ~んぶ、トライします(^^)



sonomiさん

はじめまして。
あけましておめでとうございます!
ビ―助君は色々な方に愛されてるのですね。
今沖縄に住んでいると、そちらの様子が
とても厳しく感じられますが
その土地、土地の自然と共に・・・の暮らし向きがあるんですね。
寒さの本番はこれからですね。
ビー助君によろしく。
Posted by 惣領 智子惣領 智子 at 2009年01月09日 01:15
お久しぶりですが
ご家族の皆さんもお元気ですか?

「ワンの物語」感動しました。

息子が幼稚園の頃、捨て犬だった犬を飼い始め
我家の愛犬として12年一緒に過ごしてきましたが
先月12月に老衰のため亡くなりました

家族落ち込んでしまいましたが
最後まで一緒であったことに感謝しています。

やっぱり犬でも家族です。
大切にしてもらいたいですね。

ちょっと遅れましたが
あけましておめでとうございます。
今年もご家族にとって良い年でありますように
Posted by ケンのパパより at 2009年01月11日 09:55
ケンのパパ

あけましておめでとうございます。
中城では、息子共々本当にお世話になりました。
沖縄での古里です。

ワンチャン、亡くなったのですね・・・
息子を迎えにお宅にお邪魔すると
ワンワンと吠えて一生懸命お家の番をしていました。
息子さんが幼稚園の時からといえば
どんなにか皆さんお寂しいでしょうね・・・
ご家族の皆さんにも宜しくお伝えください。

息子たち・・・大きくなりましたね。
昔の写真を見ると懐かしいです。
Posted by 惣領 智子惣領 智子 at 2009年01月16日 08:59
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