母になること

惣領 智子

2016年08月31日 18:20

子供を育てること、母親になること


これは子供をもった女性の永遠のテーマで、しかも、ただ綺麗ごとでは語れないところです


昨晩メールをいただきました

初めての子育てにとても戸惑っていらしゃるという、少し深刻な内容でした

お返事を書きながら、このことをみなさんとも分かち合えたらと思いました



子供を産んだのだから、少しくらい大変なのは当たり前・・・


この「当たり前」と思われていることを担うことが

女性にとって実際は大変なストレスを感じているということがあります


テレビのワンシーン・・・

初めての育児で疲弊してしまった若いお母さんの口から

「これは、なんの地獄だろうと思った」

そんな衝撃的な一言が飛び出しました


時を超え、今もそれを一人抱えているお母さん達が、同じ想いの女性に呼びかけ

そこで互いの気持ちをシェアしたり、友人関係を築いていくという活動


先日、偶然目にとまった、このイベントをリポートした

テレビ番組でのひとこまでした


核家族の中で、育児をしている若いお母さんから出たこの重い一言は

そのまま私の胸に飛び込んできたのです


それは何十年も前の自分の記憶に繋がっていき

彼女と同じ様な辛い気持ちを感じたこと、孤独感が思い出され

そしてその率直な表現に感動すらしてしまいました


赤ちゃんが生まれて幸せでしょう・・・

自分の子供だもの、どんなにか可愛いでしょう・・・


その様に言われれば言われるほど

そんなふうにはいつも思えない、いやむしろ時間が戻って前の自分で生きていきたい

多くの女性は出産後、ふとその様に感じた事もあるのではないでしょうか


寝不足の中での育児の体験学習!もないまま、まして家庭生活も何から何まで初めてづくし・・・

妻として、母親として「当たり前だから」とは心の負担があまりに大きすぎますね

そんな中から思わずほとばしる様に出てきた一言だったのでしょう


育児書通りに出来ているのか・・・

何か足りないことはないだろうか・・・

そんな不安な時、助けて、手伝ってと自分の母親にはなかなか言えないものです


私はそんなに大変とは思わなかったという方も勿論いらっしゃるでしょうし

サポートも受け取れたという方もいらっしゃるでしょう


でも、たとえあなたがそうでなくても罪悪感でご自分を責めたりする必要はありません

この気持ちもまた多くの女性が感じている事も事実なのです


ところが、どんなに大変だと思っていても不思議な事にある時

楽になっている自分に気づくものです

身体にとっても、出産の経験は元に戻る時間が必要なのです

身体が楽になれば、気持ちも和らいでくるのでしょう



そして子供と関わっていく時間を重ねる毎に、少しづつ少しづつ

大切な存在となっていきます


育てている様で、自分も育てられ、自分を頼っている子供に

可愛さや、それこそ子宮からの愛しさを感じていることに気がつきます


そうやって子供と共に育ちながら、母となっていくのでしょうね


それでも時折ふと横切る感情・・・

それと向き合っていくのも、人としての深みとなっていくのではと思っています



今もどこかでひっそりSOSは発信されているのでしょう


子供を育てた経験のある女性方もそうですが

生き方の違った女性達のサポートも力になります

自分の知らない経験、知恵に触れる事は

どんな環境であっても、一人の女性として生きているんだという感覚を取り戻してくれます


そんな世代を超えた繋がり、どの様にしたらいいのでしょうか・・・